回数券って実は勿体ないという真実と徒手業界にありがちな集客の闇

もう10月です。早いもので、2019年も残り3か月、あっという間でした。そろそろ年末調整の提出資料をつくらなければと今更になって思っています。売上管理は毎日コツコツしているものの、材料、光熱費などの出費の管理は自分のメンタルを保つために毎日はまだ行っていないのです。収支のバランスに落ち込む自分を想像するとまとめて落ち込んでぱっと盛り上がろうなんてせこい事を考えてしまいます。

さて、サービス業界では、以前までは2月8月が売り上げが落ち込む時期と言われてきましたが、今は、秋冬が落ち込むよと変わり始めているそうです。しかも、今年は消費税の増税もあり、さらに落ち込むのではないか、という見通しが立っています。

そう、お客様の足がお店から遠のくのです。だから秋冬はキャンペーンが増えます。セールが増えます。お客様の足が遠のくシーズンはセールやキャンペーンをする場所が増えるのです。それが、集客には大切だから、あと、回数券を導入する。SNSを使って情報を拡散する。グーグルショップのコメントを手あたり次第、同業の仲間なりにお願いして書いてもらう、これをやっておけば、お客様の足は遠のきにくくなるそうです。でもね、回数券買ったって天災や事故に巻き込まれたら結局使えなくなるのが落ちですね…

騙された経験をもつ私は、先払いシステムとか先の事がわからない約束をするのはあまり好きではありません。だから、巷のコンサルタントがいうSNSを使えとか回数券とか、口コミを書いてってお願いしまくれとか、苦手なのです。SNSで拡散しても、自分のお店と相性の合うお客様に結び付くとは限らない。本当に興味のある人は、ちゃんと目利きなので、簡単に手に入る情報にパッとは飛びつきません。知り合いでもない人の口コミは信じません。自分で吟味して探して、見つけて、見つけにくいほど見つけた喜びでずっと気に入って下さるのが流れです。グーグルショップにコメントを書いて下さると、私自身すごいテンション上がるし、嬉しいし、書いてくれた人にはいつも以上に頑張っちゃおっかなってなるのは心理的にあります。人間だもの。でもね、グーグルショップのコメントも同業の仲間にお願いして書いてもらい、自分も書いてくれたお店にも書いているという拡散方法が最近出回っているそうですが、それってどうなのでしょう?技術の向上に力を入れる人は、そういう事は行いません。同業者と馴れ合いはせず、辛口でも休みの日にお互いに都合が合えば会い、指摘を求め切磋琢磨します。私は、そういう高め合う事ができる同業者とならぜひともお友達になりたいです。この年にして、こんな場所で友達募集です。

回数券についてですが、お客様には不利ですが、お店には有利です。これは、本当に取り入れておくと、集客が減る時期には困りにくくなります。買っちゃったから、行かなきゃという心理が働き、継続課金のようなシステムに繋がるからです。もっと言うと、回数券よりも、月会員制度にして、毎月勝手にお金が入ってくるシステムを作り上げるとずっと続きます。でも、これって店舗側にとってはとても都合が良い事で、お客様の都合を考えていません。WINWINのシステムだなんていう人もいますが、まったくもってそんな事は無いのです。電車なら、回数券や定期券の方がお得ですが、身体のメンテナンスをする場所にそれを運用するのは、お客様目線ではありません。回数券で通う事ほど、メンタル的にしんどくなり、身体の改善がどんどん遅れていくのです。でも、もっと通えば良くなるとお口の上手な人に先導されて居心地も良くないのに通ってしまう。楽しくて通うのならすごく心の栄養にもなって良いとは思います。人の身体と心のメカニズムを学べば学ぶほど、集客技法とお客様に本当に良い事をする事とはイコールではない事がわかってきます。

スポーツクラブだって月会員制度ってあるけれど、ちゃんと通っていないお客様が多くいらっしゃいます。英会話教材でも、健康グッズでも、お金を払った事に満足して先が続かない人がたくさんいます。その時、その時に支払ったほうが、意識が高まりその意識が身体にも向きやすくなり、自分の身体をもっと良くするのです。会員になったから行かなきゃ、回数券があるから行かなきゃ、それは、あまり良い作用を生み出しません。それをちゃんと知ってお客様目線に立っているお店が本物だと私は思います。

ビジネスコンサルタントとかを頼むのはあまり好きではないので、頼んでいません。良いサービスを提供すれば、値段や立地関係なく人が来る商売だと思っているからです。集客のコンサルタントのいう事はほとんど同じです。だから、似たようなホームページやチラシが増えるのです。そもそも似たような内容の事を載せている時点で、腕に自信がない証拠ではないでしょうか???自信があり過ぎもどうかとは思いますが。自分でちゃんと努力する事も自分で学ぶことも必要だと思います。

自分でこうやるとお客様に響くかな、とか自分の考えはこうだとかひらめきや芯をしっかり持ってこそ、そういう人の手技は伸びるのではないでしょうか?セミナーに参加しても、習った事を会場では実践し、持ち帰って吟味してこれはここまで響かせられそう、もうちょっとベクトルを工夫しよう、イメージはこうかな、こういう身体の人にはこれくらいの圧だな、と習ったまんまではなく、お客様に合わせて自分の手の感覚を生かして調整する様にするとか工夫をする。技術職なので、習ったままでは生き詰まる業界です。少しの力加減や関節の位置、圧を向ける方向の本当に少しの違いで、結果が大きく変わるのが徒手業界です。

秋冬の集客の落ち込む時期、気持ち迄落ち込むのではなく、自分の知識や足りない部分の見直しを図るのにとても適した時期だと思います。コンサルタントや巷の集客テクニックの通り真似して、一時的に集客できたとしても、集客できてお店側は得をした事とお客様を幸せに導けたかは別問題なのです。お客様からエネルギーを奪うのではなく、エネルギーの循環を良くしてあげられるのが、この業界に今後求められてくる大きなポイントともなります。お客様の身体や気象、運氣の流れ等、時々刻々と変化の目まぐるしい時代になりました。今まで通りのただ気持ち良いだけの手技や、ツボがこうだからといった、昔ながらの体系通りの手技では人の身体を良くすることが難しくなってきています。

だからこそ、技に自信がなくて回数券を取り入れるのかもしれませんが、回数券は本当にお店側もお客様側も萎えさせます。回数券は馴れ合いを作ってしまうシステムでもあるからです。回数券を買ってくれたからあの人はまた来てくれる。来なかったとしても、お金はこちら側には入っているからお店はお金の心配をせずに安心。他者との向き合い方が良い状態なら、回数券は導入しません。無理な繋ぎとめはしません。回数券は、本当はお得ではなかったのです。お店側がお金が入らない心配をせずに済むメンタルを保つための手段にあなたは利用されていませんか?これからの時代、何が起こるか分からない状態です。異常気象です。回数券を買ったって、天災に巻き込まれたら、回数券は使えなくなるのですよ。もっと、自分の身体や心、生活を大切に!そして、それを支えるお手伝いをするのが本物のセラピストのお仕事です。