最近、勉強会に参加して周りから耳にする意見で、すごく多いな、と思うのが、戻りが早いという意見です…特に、治療院系や、時短を売りにしている、部位別治療をしている、身体全体を見ていない感じの方にこの戻りへの悩みが多い様に感じます。
では、戻りへの悩みを解消するにはどうすれば良いのでしょうか?
それは、3つの事を念頭に考えて対処していくことが必要になってきます。
1つ目は、現在の生活様式を読み解く事です。その人の痛みの原因はどういう生活習慣から来るかを知る、よく使う足や手は?職場での座席の位置は?エアコンがどんな位置から身体にあたるか?移動手段は?まだまだ聞き足りないですが、カウンセリングをじっくりとする事。動きを見る事も大切です。カウンセリングをしている最中にも、顔の左右差を見る事、ほとんどの人はどちらかの顔が下がっています。鼻の穴の大きさも微妙に違います。見すぎずに見る訓練も必要です。
2つ目は、子供の頃からの習慣、考え方、努力の仕方、逆に怠け方を聞ければ聞き出す、これにより、プライドの高さや負けず嫌いか、優しすぎる人なのか、自分を責めるタイプか、他人を責めるタイプか、そこまでリーディングできればリーディングします。これで、心から来る痛みを開放できる場合があります。
3つ目は、今後どう過ごせればその人にとって良いのかの方針を決められれば決めていきます。戻りが早い人は、変化に対して怖さを感じる人もいるから、時間をかけて治療してほしい人の場合は、急に良くなった事への身体の拒否反応で、自分で変な動きをして悪くしてしまう人もいるのは事実です。
簡単に言うと、過去、現在、未来を見つめて繋げていく事。これも私達セラピストにとっては必要なツールであります。
この三つをしっかり聞き出すために、初回はカウンセリングだけという先生も最近はいます。初回にしっかり聞きだして、その人にあったセルフケアや生活様式、心のカウンセリングが必要な人にはカウンセリングをして、自助努力も勧めて、身体のメンテナンスをしていく、2回目の来店時にセルフケアでの改善や気持ちの変化を聞きだせば、さらに自然治癒力を自分で発動できる土台をちゃんと作ってあげているので、実際に2回目から治療をするという流れは私的には、治療院にはとても適していると考えます。
リラクゼーションサロンは空間演出やおもてなしで癒してあげつづ、非日常体験での心身解放効果を狙い、全身を見られるという利点を生かして、しっかりと初回ではお客様の身体の情報をキャッチしましょう。
リラクゼーションサロンでは出来ない事が治療院では出来る。逆もありますが、その場所に適したことをやって行く事が世の中にはとても良いと私は考えます。ライバル店なんて存在しないのだから。すべてのお店に全て良さがあるし、個性がある、悪い事をしていなければ、全てよいお店だし良い治療院です。選ぶのはお客様、ただそれだけの事。悪い事をしている治療院はお客様も一緒に悪人にしてしまうので、偽装保険請求はやめましょうね。
1つ目の現在の見立てに対する施術方針ですが、身体の使いかたの癖や顔の左右差をしっかり読み取ったのなら、頭蓋までちゃんとケアするべきか、痛い方側だけを解すのではなく、痛くなる原因を発する身体の使いかたが楽になれる筋肉をほぐしてあげるのか、導きだせます。右ひざが痛くても、左足腰に体重をかける事の積み重ねで、右ひざが痛くなることだってあるのです。
2つ目の過去の習慣にたいする見立てができれば、力加減も対応できます。強くやりすぎない方が良い人、逆にツボにしっかり入れてあげて、刺激で呼び覚ましたほうが良い人までも判断できます。繊細な性格、芸術家タイプの方は、優しい方が効果が出る事もあります。スポーツマンタイプ、痛い思いをするほど効果が出るタイプの人は、ツボ刺激も取り入れるのも手です。ただし、力任せだけの手技は絶対にやめましょう。ツボや凝りがあり流れを邪魔している場所は、力に頼らずに施術しても、痛いのです…骨を操作するのも力任せではなく、骨と繋がる筋・筋膜も同時に操作しながら行います。骨だけをなんとかしようなんて、身体がかわいそうです。
3つ目の未来に対して、人は、変化を恐れる性質の強い生き物です。だから入学式に対してのタイプが3通りに分かれるのです。楽しみになりすぎてハイテンションか、不安になってローテンション、何も感じない様に自分でセーブをかけて通常通りに振る舞う、これらは、変化する事に対して、自分で自分の心を個性にわけて順応させて変化から来るショックを回避しようとするから。だから、効果的な施術でも、その効果を不快に感じる人がいるのです。効果があった事を怖がって、施術を遠ざける人もいます。今までの自分が急にいなくなるのが寂しいから、病気でいる自分を愛しちゃう人もいるから、このタイプの方は、口では治りたいと言いつつも、奥が頑固だったりするので、見極めはとても難しいです。見極められたのなら、急にだと危ないので、少しずつ一緒に変化していきましょうね。との声掛けも必要なのです。見極められなかった場合は、自分を責めすぎずに、本人の意思に委ねましょう。本人が治りたいと決断しない限りは、踏み込んではいけない領域もあります。ハイテンションタイプの人は、良くなると、もっと無理のある動きや運動をしたがることもあります。よっしゃー身体の可動域が上がったから、階段猛ダッシュしてやるーみたいに。たとえ身体が楽になっても、昨日まで痛かった体を急に動かしてはいけません、それも伝えておいてあげましょう。戻りより悪化もあり得ますから…
もどりを防ぎたくて色々なテクニックを習得しようと頑張るのでしょうが、テクニックを習得しても、身体がなぜその痛みを発するのか、どういう生活習慣なのか、性格は?どっちが本当の利き足なのか、利き手なのかを判断しないとずっと戻りに悩み続けないといけないって事です。
勉強会に高額を払って参加すれば、テクニックや評価方法は教えてくれます。そして、それを試すとすぐに効果がでます。でも、痛い場所の評価と痛い場所の治し方を習ったところで、その人がなぜ痛くなるのかまでを見つめ切らないと、すぐに戻るのです。これが、どんなに上のランクまで目指して学んでも、凄腕にはなりきれないというオチなのです。お金を積めば、資格や免許、認定は簡単に手に入りますよ。その先が本当は大切です。習っても、本質が解らなければ、実情は認定書を貰い、自分の承認欲求を満たし自分を安心させてあげただけに過ぎないのです。
信頼関係を築く、心の奥も見る、カルマも見る、そこまで考えて人と接した時、かなり戻りを防げます。だからこそ相性も大切なお仕事なのです。相性や波長が合わないと、心の奥やトラウマ、カルマを私達セラピストに見せて解放させてくれませんから…信頼関係は何よりもすごく大切なお仕事です。
でも、勉強会に参加する方は、意志力高いな、と戻りに悩むことでは感心します。完全自費診療にするために勉強している先生に、私は尊敬の念を浮かべます。だって、うちの近所の治療院は、毎日通ってくれてなんぼって先生がまだまだいますからね。偽装カルテを毎日セコセコ作り、保険でやってはいけない事を保険でやるための、嘘ばかり並べたカルテ、保健所は無駄な仕事は増やしたくないから、田舎のそんな治療院は放置です。別にちゃんと見ていないんですよ。取り締まりが厳しくない時点で、まだまだ、日本にはお金があるらしいって事なんでしょうね。本当に、税金や保険のお金の使いかたが忖度だらけでも世の中動くって日本って平和で安全だなと思うけれど、保険の使い込みにより、保険料上がったらどうしようとか、将来の事を勝手に考えてしまう私もいます。
何より、そんな世の中にいても、セミナーに行って会話をする方は、人を憂い、自分も人も大切に出来る愛のある方とのご縁が強いので、素敵な同業者さんと一緒に学べる事では有り難い場だなと感じています。